ファイトクラブ

なんとなくレンタルするのが億劫で先延ばしにしていたんですけど、春休みで暇だったこともあってついに観ました。

すばひびにインスピレーションを与えたことを知っていたので、多重人格の可能性を踏まえて観てましたが、それを示唆するシーンが存外に多かったです。

それと、台詞の言い回しが秀逸でこのことも影響を与え、引用されたりする要因なのかなと思いました。「北欧家具の奴隷」とか「コピーのコピー……」とかキャッチーで好きです。

内容はどうかというと消費社会や男性性に対する批評性があって、そこはよかったのですが、爆破テロとかの暴走のくだりはよくわからないです。

たとえ疲弊の要因が消費社会にあるとしても、その象徴を破壊すれば万事よくなるみたいな発想は幼稚すぎませんか。有害な男性性のメタファーだとしてもあまり腑に落ちません。

それとラストのシーンも特に何の感想もないというか、なんとなくエモいだけで何も解決してないですよね。

登場人物に対する激しい共感や求めていた物語に出会えたときの痺れはなかったですけどそれなりに楽しめました。